有田焼とか清水焼とかの窯元の名門でないほうがかえって良いので、つい最近も、講演の依頼に応じて徳島へ行った帰りに、大谷焼の産地に立ち寄った。ここの窯元は置物の狸とか睡蓮鉢のような大型雑器を得意とするところで、食器の類は傍流だが、それでも大皿を池に見立ててその中央を一列になって横切るメダカの群れをサッと一筆で描いたものか目にとまって手に入れてきた。これはデザインもさることながら、ちょうどこのくらいの大ぶりのが不足気味だったので妻にも歓迎され、すぐに日常的に使いはじめた。
(参考)
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これにワサビ醤油で食べるアボカドの刺身風なんかを盛り付けると、その薄緑色が水草のようで、その間にメダカが泳いでいる姿がなかなか良いのである。陶磁器のはかない運命をどう考えるかこういうふうにして集ってきたわが家の陶磁器は、数は多いが系統だった蒐集には程遠いてんでんばらばらな物の集りで、いわゆる骨董品の類はまったくない。一般家庭で日常的に使って楽しむには、やはりあんまり高価な物は気づまりになる。陶磁器はいつかは割れる宿命にあり、もしそうだった時に口惜しくて眠れないようなものは使うべきではない。
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